2004/6/10

再定住計画 - 移り住んだ農民の栄養状態が悪化
Major relief effort in progress for resettled people (IRIN)

解説:
干ばつの被害から農民を救う目的で実施されている再定住計画ですが、この計画のもとで新しい村に移り住んだ農民のあいだで、栄養状態の悪化が深刻になっているようです。IRINの報告によれば、全国に80箇所ある再定住地区のうち、幾つかの地区はうまく運営されているものの、他の多くの地区で水の不足、疾病や死亡の増加が報告されています。現在、再定住地区に移り住んだ家族のうち、栄養状態の悪い25万人に食糧支援が実施されていますが、問題はさらに深刻化する可能性もあって、世界銀行は緊急の調査を実施すると発表しました。

再定住計画はまだ始まったばかりですから、今回の危機を以て計画が失敗したと結論するのは早計です。また再定住地区に移り住んだ人たちは、もと住んでいた村でもたびたび干ばつの被害にあい、食糧支援を受けてきた人たちですから、再定住計画のせいで余計に多くの食糧支援が必要になったと、簡単に言い切ることはできません。

それにしても、再定住計画は非常に難しい事業だという警告があったにもかかわらず、80箇所もの再定住地区を一挙に建設する計画を推し進めたエチオピア政府と、それに巨額の資金を投入した援助国や世界銀行は、再定住という課題を非常に安易に考えていたように思われます。

過去の大規模な開発計画のために、地域住民の生活が破壊された例はいくつもあります。エチオピアでも、アワシュ川流域の開発が豊かな牧草地を奪い、牧畜民の干ばつ被害が多発するようになった例などが知られています。アワシュ川の開発と、今回の再定住計画とは全く性質が違うとはいえ、大規模な開発計画を手がける組織は、昔も今も地域住民の生活を安易に考えているのではないかという疑いを抱かずにはいられません。