2001年5月 ノンフォーマル教育とNGO
エチオピアでノンフォーマル教育を実施している3つのローカルNGOにお願いして、活動状況とその課題を発表してもらいました。これらのNGOの名称(活動地域)は次の通りです。
Center for Development Initiatives (Shiraro Woreda, Oromiya)
Kangaroo Child and Youth Development (Dodola Woreda, Oromiya)
Emmanuel Development Association (Kaliti, Addis Abeba)
ノンフォーマル教育とは、政府の設立した学校で実施される教育(フォーマル教育)ではない公教育のことです。公立学校の校舎や教員、予算が極端に不足しているエチオピアで、就学率と教育の質を確保する手段として注目されています。
エチオピアでも多くのNGOがノンフォーマル教育に取り組んでいます。ノンフォーマル教育に対する政府の姿勢は、州によってかなり異なりますが、オロミヤ州などでは3年間のノンフォーマル教育終了後に、公立学校の5年生に編入できる制度が一般的です。ただし、政府は学校の建設費や運営費をいっさい負担せず、教員の給与も原則として支給しません(例外的に給与を支給することもあるようです)。
ノンフォーマル教育の意義は公立学校の代わりをすることではなく、公立学校で教えない環境、人権や公民などのような教育を積極的に取り込むことができることにあります。他方、政府の支援がないため、NGOや住民の負担が大きくなるのが欠点です。住民の支持を得ることに失敗したノンフォーマル学校は、運営を継続することができないでしょう。
NGOはもちろん、ノンフォーマル教育の運営を安定させるための工夫をしています。サテライト・システムと呼ばれる仕組みがその一つです。これは、はじめに核となる公立学校を建設し、その周辺に数校のノンフォーマル学校を配置する方法です(この場合、公立学校は各国政府や世銀などの開発資金援助によって建設し、ノンフォーマル学校は既存の集会所などの建物を利用するのが一般的です)。ノンフォーマル学校の教員は公立学校を通じて教材を購入したり、公立学校に集まって問題を話し合ったりすることができます。
このような方法をとっても、個々のノンフォーマル学校がすべて継続できると考えるのは難しいでしょう。サテライト・システムなどを参考に、いくつかのノンフォーマル学校がつぶれたとしても、全体としては継続していくような仕組みを作っていくことが大切だと思います。