2006年09月10日
マルコヴィッチの穴 [映画]
映画を見終わったあと、オチが飲み込めなかったらしい妻に、主人公の意識がどうなってしまったかを、一生懸命に説明しようとしたのですが、逆に「頭は大丈夫?」と心配されてしまう始末です。常軌を逸しているのは僕の意識ではなくて、この映画の脚本なのですが。
オフィスの壁にあいた穴をくぐると、実在する俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に入ることができるという、ありえない設定がこの映画のすべてです。
B級映画マニアならともかく、まともな感性を持った観客には受け入れがたい設定のように思われますが、じっさいに「マルコヴィッチの穴」が出現するまでの、やや長めの展開を観ているうちに、いつの間にか、そのありえない世界へと引き込まれてしまいます。
引き込まれるといっても、主人公の人形使いの男は、あまりにも情けないうえ、キャメロン・ディアスを除くほとんどの登場人物は、どうしようもなく身勝手なので、最後まで彼らに感情移入することはできません。
それもそのはず、この映画の観客は、登場人物に感情移入するのではなくて、ジョン・マルコヴィッチへの感情移入を熱望する登場人物を観察するという、かなり斬新な体験をするのです。
そもそも人間の意識とは何だろうとか、自己の存在は危ういものなのだろうかと言った、押しつけがましい心理学講釈は抜きにして、コメディ映画を観ていると思わせながら、登場人物たちの心の闇を見せてゆきます。
心の闇というだけあって、登場人物たちが「穴」に入ってマルコヴィッチに乗り移りたがる理由は、かなりぶっ飛んでいます。笑えないと思う人もいるでしょうが、僕はとても面白いと思いました。
「マルコヴィッチの穴」公式サイト
http://mal-ana.asmik-ace.co.jp/index2.shtml
nishi makoto
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