2006年08月11日

Thank You for Smoking [映画]

あなたは成人してから、公共の場所で、誰かに「くさい、きたない、かっこわるい」と言われたことがあるでしょうか? ふつうの市民にとっては耐え難い罵倒と思われますが、あなたが喫煙者なら、耐える必要があるかも知れません。

禁煙ステッカー誤解の無いように言っておくと、ぼくはタバコを吸わないし、路上での喫煙を禁止している千代田区の条例にも、どちらかといえば好感を抱いています。写真のステッカーを貼った人がどんな気持ちでそうしたかは、ステッカーに描かれた絵を見れば良くわかります。

しかしそれにしても、喫煙者の「撲滅」を訴える過剰なキャンペーンは、タバコの煙そのものの害悪を上回るほどの副作用があるのではないかと、心配になることがあります。

そんなことを考えていたら、日本では今秋公開となる「サンキュー・スモーキング」という映画の予告が目に入りました。これは、「高まる禁煙運動の弾丸を、魅力的なスマイルと巧みな論理のすり替えでかわし」つつ、タバコ業界の繁栄のために活躍する凄腕の広報担当者を描いて、「公共の敵とみなされている人物を主人公にした物語に、観客の共感を惹きつけていくという難題に挑戦」した映画なのだそうです。

今の世の中で、タバコ業界に奉仕する男の行動に、観客を共感させる方法なんてあるのかと驚かされますが、どうやらこの映画では、その男が「美しい家族愛」の一員となり、他方で喫煙撲滅を訴える上院議員やジャーナリストには、「欺瞞」という役回りが与えられているらしい。なかなか一筋縄ではいかない筋書きのようです。

それだけにこの映画は(もし予告どおりの内容だとしたら)来るべき無煙社会に向けて形成されつつある「合意とモラル」を混乱させるものであり、タバコの害悪を固く信じている人たちにとっては、たいへん「危険な」作品であるように思われます。

nishi makoto

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