2006年06月09日
アル・デンテでお願いします [日常のできごと]
このあいだ東京からきた友人を、京都の錦市場へ案内したついでに、たこ焼きを一緒にたべました。なかなかの味で6個180円という価格設定は、嬉しいというよりも、ふだん食べているたこ焼きの原価はどうなっているのかと不安にさせます。
それはまあ良いのですが、ちょっと不満なのは一緒に食べた友人の「あのたこ焼き、なま焼けだと思いました」というコメントです。大阪では(京都でも)中のほうがまだどろっとしている状態こそが、正しいたこ焼きの焼き加減であり、値段が安いからといってガス代をけちっているわけではないと説明したものの、彼はいまひとつ釈然としない様子です。
たしかに関東では「築地銀だこ」に代表されるような、パリッと焼いたたこ焼きが主流のようですが、そうではなくて、じゅうぶんに火が通っていない小麦粉の食感こそが、たこ焼きの醍醐味であり、これを「なま焼け」と表現するのは、イタリア料理屋に行って「このパスタ、芯が残ってるよね」と文句を言うようなものです。
まあ、じっさいには「芯が残っている」パスタが苦手な人たちも多いようで、たとえばぼくが調査でよく出掛けるエチオピアの友人などは、スパゲティを最低20分間は茹でないと「食えたものではない」と言ってはばかりません。それはそれでかまいませんが、柔らかいパスタが好きな人でも、アル・デンテという茹で方への敬意だけは、持ち続けて欲しいものです。
さてたこ焼きの話ですが、近頃は関西地方にも「築地銀だこ」が展開をはじめており、正直にいうとぼくじしん、「銀だこ」のスタンプカードを財布に入れて持ち歩いていたことがあります。そもそも京都には美味しいたこ焼き屋が少ないから「銀だこ」などに通うことを強いられたのだ…と言い切りたいところですが、そんな言い訳は、関西では通用しても他の地方の人から見れば見苦しいに違いありません。大阪のたこ焼きだけが「ほんとうの」たこ焼きで、パリッとした食感なぞ邪道だと言い張るのは、止めておいた方が良さそうです。
つまり大切なのは、大阪のたこ焼きだけが「ほんとうの」たこ焼きだという考え方を押しつけることではなく、ただそれを「なま焼け」と見なすのは誤解だということを、おおくの人が受け入れてくれれば良いのです。イタリア料理屋のパスタは、「芯が残っている」のではなくて「歯ごたえがある(al dente)」と表現するように、大阪のたこ焼きについても、決して「なま焼け」ではなくて「口の中でとろける感じ」だとか、肯定的なことばによってアイデンティティを確立する必要がありそうです。
まあ大阪のたこ焼きは「口の中でとろける」というより、さいしょから「中がどろどろ」なんですけどね…。
nishi makoto
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コメント
あの大阪のたこ焼きの中のとろっとしたのは「生焼け」?
違うと思う。
だって、小麦粉の「なま」ってやばいですよ、
お腹こわすと思う。壊さないまでも、ちょっと変化は
あるはず。
あれは、熱がとおってもなお、やわらかくいられるタネ
なのだと思います。違う?
先日、大阪出張したときも、1日一回粉物を
いただきました。職人技に魅了されるお好み焼き、
並んで食べた梅田花月のたこ焼き、大丸のイカ焼き・・
東京で食べない分、楽しみました。
しかし、エチオピア人の生焼け嫌いは半端じゃないよね。私の友達は、近くのダボ屋の5個1ブル(13円くらい)のロールパンの中身は、吟味し、ちょっとでも
しめっているとごっそり取り出し、皿に残します。
ま、それは私が食べるんですけどね・・。
だから、ショアダボのかすかすパンが好き。
私は、はちみつなしでは食べられない、乾燥ショアダボはあまり好きじゃなかったなぁ。
ある日本人の家のお手伝いさんは、パスタのようにそうめんをゆで、ボールのようにかたまりに
なったそう・・。こっそり捨ててたらしいです。
というわけで、あれは「生焼け」ではないです!
味、違うよ、生の小麦粉とは。
投稿者 gete : 2006年08月13日 16:58
関西風たこ焼きに対する力強い擁護のことばを頂き、ありがとうございます。かく言う僕は、このあいだも「銀だこ」に行ってしまいました。反省しています。
ところであのどろどろは、山芋のすりおろしたのが入っているせいもあるでしょうが、基本的には「小麦粉にじゅうぶんに火が通っていない」状態だと思います。もちろん生ではないんですが「生焼け」です。
投稿者 nishi makoto : 2006年08月16日 15:23
