2005年12月03日
Michelle ma belle [コメンタリー]
「その日、わたしが家に戻ると、ミッシェルは誰かに連れ去られていました。ベッドシーツには、おしっこの跡がありました。ミッシェルは犯人に追い回されて、おしっこを漏らすほどの恐怖を味わったのです。わたしはミッシェルのことを思い、妻と手をとりあって泣きました」
ミッシェルというのは、彼が飼っていたチワワのことです。テレビのワイドショーによれば、このところチワワの誘拐事件が連続して発生しているらしい。同じようにチワワを誘拐された女性は「こんなにつらい思いをするのは、わたしで終わりにして欲しい」と涙ながらに訴えていました。
残念ながら僕は、犬を鎖につなぎ残飯を与えてすませるような家庭に育ちました。チワワの失禁の跡を見て泣くなんて、僕には不可能です。それだけでなく、世の中には住むところがなくて寒い夜を過ごしている人もいるのに、犬がそんなに大切ですかと批判がましいことを言わずにはいられません。
しかし考えてみると、ホームレスで犬を飼っている人も多いので、僕の批判はあんまり的を射ていないかも知れません。たかがチワワと笑うのは簡単ですが、大切なのはむしろ、チワワを奪われた彼らの喪失感や悲しみについて、想像してみることなのかも知れません。
nishi makoto
