2004年07月01日

そんなはずではなかった [コメンタリー]

茨城県で、50年間も無免許運転を続けてきた男性が逮捕されたそうです。「シートベルトは必ずつけ、スピード違反はしたことがなかった」と供述しているらしい。僕の大学時代の先輩なんか、数ヶ月おきに追突や接触事故、信号無視を繰り返していましたけど、運転免許は事故や違反をする人にこそ、必要ということでしょうか。

ちなみに僕は、ここ数年というもの殆ど運転していないという事情で、無駄にゴールド免許をもらっています。ならば50年ものあいだ、慎重に運転した茨城県の男性は、交通安全協会から表彰状のひとつも受けとって良いはずでした -- もちろんそのためには、運転免許が必要ですが。

ところが彼は表彰どころか、今年の二月にバイクと接触事故を起こしてそのまま逃走し、今月になって業務上過失障害と道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)で逮捕されました。警察の調べに対して彼は、「見よう見まねで運転を覚えた。無免許だが、安全運転には人一倍努めてきた」と語ったそうです。

努力したのに、どうして事態はこうも悪化してしまったのか。彼のばあいはもちろん、免許を取らなかったことが不幸の発端です。彼はそんなことが理解できずに、安全運転に努めていましたと語りつづけるのです。

ところで努力といえば、「自分としては物事について我慢するよう努力しているが、限界を超えた」と言った女の子のばあいはどうなのでしょう。もう少し我慢ができたなら、5才の男の子をマンションから突き落とさずにすんだはず。恐らくそれは、彼女も理解しているでしょう。だから、限界を超えたといっているのです。

新聞では、彼女の母親が外国籍であることなど詮索しているようですが、なるほど国籍が原因なら、問題は簡単です。安全運転とかいってもあなた無免許ですね、というのと同じくらい簡単に、お母さんは外国籍なんですねといえる。でも運転免許とは違って、誰も母親の国籍を選ぶことはできないし、選ぼうとも思いません。

新聞を読んだところで、この事件について理解する手がかりを得ることはできないでしょう。なぜなら彼女が理解できずにいる問題は国籍のことなどではなく、いつも努力していてるのに、どうして物事は悪い方向に進んでいくのか、ということであって、今のところその問いに答えられる人は、誰もいないからです。

nishi makoto

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