2004年05月26日

生きるヒント [コメンタリー]

現代社会の困難を生き抜こうと思うなら、俺の言うことを聞け。村上龍はそう語りかけたいようです。誰もが世界の不安定さと、そして何よりも自分の不安定さに困惑している今の社会で、彼の声は力強く響きます。あなた方が必要としているのは「本当の自分」とかではなく、将来の仕事についての知識なのだ。

まあ誰でも早晩、気がつくことですが、中学生くらいから気づいておけというのが『13才のハローワーク』での村上龍の主張らしく、これには東京都知事も「革命的な一冊」と絶賛しています。元小説家どうしでよくそこまで誉めあえるものです。というか、最近では若者が仕事を見つけることが革命的なのですね。

それはそうと村上龍がむかし書いて、こんど映画化される青春小説などを読むと、少なくとも17才くらいまではあんまり将来の仕事のこととか、真面目に考えない人生も楽しそうです。しかし考えてみれば、かつて長編の青春小説を世に問うた某作家なども、老境を迎え、近年は無難に生きるヒントみたいなのをくだくだと書いて同世代の共感を呼んでいるのです。

社会と無難に折り合いをつける心がけについて書くために、彼ら作家の人生があったのかどうか、できることなら問い詰めてみたい気もします。

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