2004年03月12日
現代のノマド [コメンタリー]
少しまえ、NHKスペシャルでフリーターの話をしてましたね。生涯賃金で比較すると、正社員は2億円を超えるのに、フリーターを続けると5200万円にしかならない。これは我が国の経済にとっても大きな損失らしいです。
フリーターの増加による経済損失(UFJ総研試算)
番組ではフリーター志望の高校生が紹介されていました。彼は自分の可能性を試してみたいと、時給1,000円でアパレル系の仕事に就こうと考えています。道は厳しくても、きっと飛躍のときがくるはず。しかし進路指導の先生は、世の中はそんなに甘くないから、安定した正社員を選ぶようにとたしなめます。地元の工場で働きなさい。その言葉はしかし、彼の心には響きません。
いわゆる現実社会の厳しさを知らない高校生を責めるのは簡単です。でも顧みれば先生たちは、小学校の頃から「君たちは無限の可能性を持っている」「何ごとにも挑戦しなさい」と教えてこなかったでしょうか? 明日の社会は君たちのためにある。この見え透いた嘘は、学級運営のための方便に過ぎないのに、見抜けない子どももいるのです。そしてその嘘は、子どもたちを社会に送りだす瞬間に破綻します。
手のひらを返したような進路指導の先生の言葉はつまり、「どうも解ってないみたいだから言うけど、君は貴族の末裔とかじゃなくてサバルタンの一員なんだ。だからといって私たちの社会では、ノマドとして生きることは許されないからね」と言っているのです。残念ながら、この社会は君たちのものではないよと。
nishi makoto
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